異例の大ヒットを飛ばし新記録を樹立している『鬼滅の刃』ですが、実はその原型とも言える短編読み切り漫画『過狩り狩り』という作品があります。
熱狂的なファンには有名な作品ですが、私のようにアニメから入ったにわかファンには一体どんな作品か謎・・・。
そこで今回は、『過狩り狩り』のあらすじや主人公や鬼滅の刃に通じる登場人物、そして初見では分かりにくいストーリーを詳しく解説していきます。
もくじ
漫画『過狩り狩り』とは?
「鬼滅の刃」吾峠呼世晴先生も漫画賞投稿からデビューされました。投稿作「過狩り狩り」は主人公の顔を隠した意表をつく扉絵で、編集部が「1ページ目から気になる漫画が来た」とザワついたのをよく覚えています。下記リンクから無料で読めます!新世界漫画賞10月期も募集中!https://t.co/Zjx0qa6lz8 pic.twitter.com/jWLsX86O8H
— 少年ジャンプ漫画賞 (@jump_mangasho) October 17, 2020
『過狩り狩り』とは、『鬼滅の刃』の元となる作品と言われ、時代背景や鬼狩り、しゃべるカラスなど共通項が多く熱狂的ファンから、ぜひ見てほしいと言われる作品です。
少年ジャンプの第70回(2013年4月期)JUMPトレジャー新人漫画賞の佳作を受賞しています。
まずは基本情報から確認していきます。
『過狩り狩り』の読み方
『過狩り狩り』の読み方は、一見読めなさそうですが、そのまま読んで『かがりがり』です。
『過狩り狩り』の作者
『過狩り狩り』の作者は、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さん。
24歳の時に「どうせダメだろう」と処分するつもりだった読切作品「過狩り狩り」を、家族の「どうせならいちばん好きな雑誌に送ってみたら」という後押しを受け『少年ジャンプ』に初めて投稿し、その年のJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作を受賞したという思い入れの深い作品です。
過狩り狩りのあらすじ
ジャンプ公式サイトでは、簡単にあらすじが載っています。
街を騒然とさせる人狩り事件。その犯人は吸血鬼だった…
凶行を繰り返す吸血鬼の前に刀を携えた少年が現れ!?
もっと詳しく描いていきますね。
時は明治・大正時代。
街を騒然とさせる人狩事件が次々と起こる。
その正体は、なんと異国の地から来た吸血鬼。
その一方、人間の血を求めてひっそり暮らしていた日本の鬼たちは、好き勝手に人間を殺す吸血鬼と争うことに!
しかし、吸血鬼と鬼の戦いに現れたのは、盲目で片腕にハンデをおった人間の鬼狩りの剣士。
果たして結末はいかに!?というストーリー展開です。
過狩り狩りの主人公
引用:Twitter
『過狩り狩り』の主人公は、鬼狩りとなるために鍛えぬかれた少年。
鬼狩りの選抜試験のようなもので、片腕と両目を失っています。
漫画の表紙の少年です。
名前は描写されておらず、手に刻まれた番号「ウー拾壱号」とだけあります。
年齢は幾つぐらいか分かりませんが、「この子」と描写されているので、炭治郎ぐらいの設定かな?
描かれている雰囲気は、『鬼滅の刃』の柱のひとり「富岡義勇」のような印象ですね。
また、この主人公はストーリーの最後までほぼセリフなしの異例の描き方で、主人公の人間なのに、どこか得体の知れない不気味な存在として描かれています。
過狩り狩りの登場人物
『過狩り狩り』の登場人物を紹介します。
名前がある登場人物は3人のみで、後は名前がない描写のみで登場します。
珠世と愈史郎
珠世様が静かに怒っていらっしゃいます。
なんかこっちはこっちの鬼で「平伏せよ」できそう。 pic.twitter.com/S4EqmDgA8x
— kinocity(キノシティ)🔥3回乗車済み (@kinocitykmt) November 28, 2020
『鬼滅の刃』で炭治郎が浅草で会った鬼の珠世と、珠世によって唯一鬼化された少年の愈史郎(ゆしろう)が、同じキャラでそのまま登場しています。
『過狩り狩り』の中でも、珠世は血鬼術の惑血(わくち)を使い、愈史郎は、呪符(目の文様を描いた符)を用いる目の血鬼術を使っています。
また「珠世様」と愈史郎が珠世を慕っているところも同じです。
『鬼滅の刃』の原点は、珠世さんと愈史郎だったようですね。
時川
時川も鬼。
見た目は『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨みたいに、スーツに帽子のスタイルですが、イケメンでもなく、めちゃくちゃ強い訳でもありません。
鬼舞辻無惨の原型となっているのかもしれませんが、無敵の強さを誇る訳ではなく、1人では吸血鬼に打ち勝つことができないくせに、横柄な態度を取るイケすかないキャラになっています。
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第7話登場キャラクターを追加しました!鬼舞辻無惨 CV:関俊彦
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— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) May 19, 2019
過狩り狩りのストーリー解説
『過狩り狩り』は、漫画やアニメで『鬼滅の刃』のストーリーを知っている人には、同じキャラクターや鬼舞辻無惨のようなキャラかぶりの人物を元に、ある程度想像して読むことはできますが、初見ではちょっと意味が分からないストーリー展開になっています。
実際に漫画やアニメで『鬼滅の刃』のストーリーを知っていても、それぞれの描写が少なく、情報が錯綜しているので、一度ではストーリーを把握するのは難しかった・・・。
なので、素人でも分かりやすいように、『過狩り狩り』のストーリーを解説していきます。
主な話の流れは、鬼狩りとなる主人公の過去と鬼と吸血鬼の争いの様子が錯綜しながら進んでいきます。
極貧の子供が鬼狩りの剣士になる
極貧の少年(主人公)が鬼狩りになるために、老人の師の元で修行を積みます。
漫画内では師となる老人は、顔も描かれていませんが、『鬼滅の刃』の天狗の仮面をかぶった鱗滝さんの原型かなと思います。
そして、鬼狩りの剣士の選抜試験に挑み、片腕を失くし、盲目になってしまいますが、それでも鍛え抜かれ選び抜かれた才能のある鬼狩りとなっていきます。
日本の鬼と吸血鬼の鬼同士が争う
日本の鬼である時川は、同じ鬼の珠世と愈史郎にしぶしぶ手を組ませ、異国の鬼の吸血鬼と闘います。
異国の地から来た吸血鬼は、鬼狩りの少年の存在を知らないため、好き勝手に人を襲っていましたが、時川、珠世と愈史郎はこの鬼狩りの少年の存在を知っている様子で、鬼狩りの存在を意識しながら吸血鬼と闘っています。
鬼狩りの少年が吸血鬼と闘う
鬼狩りの少年が、吸血鬼の気配を見つけ闘います。
鬼狩りの少年の気持ちの描写はなく、吸血鬼側の気持ちを描くことで、この少年の強さを物語っています。
日本の鬼は鬼狩りから身を隠したまま生き延びる
日本の鬼である時川、珠世と愈史郎は、この鬼狩りの少年と吸血鬼の戦いを見届けつつも、自身たちも殺される可能性があるため、身を隠し生き延びています。
特に時川の最後のシーンは、鬼舞辻無惨のような孤高の強さを誇るスマートさがなく、ダサく感じます。ゲゲゲの鬼太郎のねずみ男のような印象ですね。
過狩り狩りと鬼滅の刃の共通点
『過狩り狩り』は『鬼滅の刃』の共通点は、本当にたくさんあります。
- 主人公が鬼狩りになるために修行する
- 修行の師が老人(=鱗滝さん)
- 鬼狩り剣士の選抜試験に挑む
- 珠世と愈史郎は同じキャラで登場
- 珠世の血鬼術「惑血(わくち)」も同じ
- 愈史郎の「目」の血鬼術も同じ
- 「惡鬼滅殺」の文字が刀に刻印されている
- しゃべるカラス
- 蕎麦をすする音「ずぞぞ」
このストーリーが起点となって、『鬼滅の刃』ができたというのが、噛めば噛むほど、いや読めば読むほど分かる作品となっています。
最初はストーリーが掴みにくいですが、ストーリーを把握できてからは、細かく読み解いていくと、『鬼滅の刃』の前身となる凄い作品に出会った実感がすごくて嬉しくなります。
ファンの方が、おすすめするのもよく分かりました!
まとめ
『鬼滅の刃』の原点とも言われる作品『過狩り狩り』について、あらすじや登場人物、ちょっと難しいストーリー解説をしてみました。
『過狩り狩り』には、『鬼滅の刃』のような明るい要素がありませんが、ここがすべての起点となり、あの大ヒット作品ができていると思うと、原点に出会えた喜びを味わえます。
ぜひ原点となる『過狩り狩り』も読んでみて下さいね!
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